映画『ツレがうつになりまして』の感想など

堺雅人さんと宮崎あおいさんらによる映画『ツレがうつになりまして』をようやく見たので、簡単な感想等を書きました。

あらすじ

ツレこと髙崎幹夫は、会社で仕事をバリバリこなす超几帳面なサラリーマンだった。ある朝、ペットのイグアナに「食欲がうらやましい」と言ったり、ゴミ収集所に積まれたゴミを見て、「これ、全部いらないんだよね」とこぼす。翌朝夫は、売れない漫画家である妻のハル(晴子)の前で、「死にたい」とつぶやく。ハルは夫を心配し、内科の受診をすすめる。すると、典型的なうつ病であるとの診断がなされる。以後、ツレとハルさんによる夫婦二人三脚でのうつ病=「宇宙カゼ」との戦いがはじまる…

細川貂々さんによる著書『ツレがうつになりまして』等をもとに作られた作品。中国最大の映画祭である金鶏百花映画祭にて、外国語最優秀作品賞を受賞。




役者が良い

宮崎あおいさんの演じるハルさん、稀有でヘンテコな髪型をしているというのに、なんでこんなに可愛いんでしょう。個人的に印象的だったのは、葵さんが隣の部屋で横になっているツレのもとに、枕を持って夜の営みに誘うように横たわるシーン。対してうつのせいで欲の湧かないツレが「ごめん、今日は…」と誘いを拒否し、ハルさんが怒って自室へ戻るシーン。そんな宮崎あおいさんを見ては、多くの男性が「ああ…勿体ない!!」と嘆く筈。

そして堺雅人さんって、真面目すぎて冴えない男を演じることができるんだなあ、と。顕著なのは、近所の店でディスプレイされたカメやヌマエビを猫背で口を開けながら眺めるシーン。そのときの堺雅人さんは全く冴えない顔をしており、観る人の笑いを誘います。普段見せる堺さんのイケメンぶりとは、大違いですね。

うつ病について分かったつもりになっていた

精神疾患や発達障害等についての記事はネット等で何度も目の当たりにするので、理解していたつもりでいたのですが、映画を見るとむしろ僕はそれらについて何も分かってなかったんだと思いましたね。

病気とか障害って、自分がそれらを患ったり、患っている人の様子を暫く見ていないと、症状へのイメージは湧かないんですよね。うつがどんな症状かを調べるよりも、実際にうつの状態の人を長期的に観察したほうが、何倍も理解が深まるわけです。

この映画も、うつ病への初歩的理解には十分良いものかと思います。実際に劇中では、仕事や生真面目な性格等のうつのメジャーな原因を取り入れてます。また、発症後の患者のありがちな傾向も詳細に演じらたり、役者により語られています。

wikipediaによると、この映画のツレは「心因性のうつ」とされていますが、実はツレのうつは内因性によるものとも予想できます。

調べたところ、内因性のうつは、元々うつになる性格等の要因が個人に備わっていることで起こるものです。前ぶれなく発症したり、引き金になるような出来事が起こって症状が発生するといいます。一方で心因性のうつは、元々うつの要因が個人に備わっていなくても、外部から受けたストレスにより発症するようです。




まとめ

全体としてはあまり深い作り込みや示唆のないシンプルな夫婦のドラマとして仕上がっていますが、その屈折のない夫婦愛が僕の心を突いてきました。ツレのうつを通じて夫婦が距離をますます縮めていく様子を見ていると、思わず僕の気持ちもしわりとなります。はて、役者の演技がうまいのか、はたまた自分が歳をとったのか。

変に作り込まれたヒューマンドラマよりもずっといい映画を観ることができたと感じます。日常に疲れた人におすすめの作品です。がんばらなくても、いいんですよ。

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