英語の教材研究と授業法③〜教科書本文・英文を読み取らせる方法

ここでは、最新の『NEW HORIZON 3』(東京書籍)のUnit 3をもとに、本文の読み解き方を解説します。

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本文の中から読み取らせたい内容を考える

本文のなかで特に読み取らせるべき内容をピックアップしたり、教員自身が章を通じて生徒たちに伝えたいことを考えておきましょう。例えば、『NEW HORIZON 3』(東京書籍)のUnit 3には「フェアトレード製品」について書かれていますが、ここでは

A. フェアトレードという概念やその仕組みを理解させる
B. 不当な取引を強いられている貧困層がいることを知り、その上で製品を主体的に選択していく

あたりでしょうか。

今回取り上げたのはざっくりとした部分ですが、より細部にわたって理解させるべき内容を考えておくと、本文理解の手段が見えてきます。

では、これらAとBの2つのゴールを達成するために、どのようなプロセスを踏めばよいのかを以下に説明します。

本文を理解する方法は、逐語訳・日本語訳以外にもある

方法論として、いくつかピックアップします。

Pre-reading(本文を読み解く前の活動)

①本文のテーマに触れる。英語、日本語、写真などを使用。
②一度本文を読ませ、Yes / Noで答えられる質問や、whatやwhereなどを使った簡単な質問を投げかける(ただし、本文のテーマや趣旨が取り上げられている箇所を質問文として採用する)。

Reading(読解・本文理解)

①本文の読み取り方を説明する(特に難しい文法や表現についてを特に詳しく)。
②指示語が何を指しているのかを考えさせる。
③難しい概念や抽象的なワードを指導者が説明したり、生徒に説明させる。

Post-reading(本文を理解した後の活動)

①要約させたり、本文の内容全体を振り返られるような質問をする。
②本文の内容をもとにして、生徒の主体的な行動に繋げるための提案を試みる。

先ほど挙げた、フェアトレードチョコレートに関する文章を読み解く上でのゴールAは、Pre-readingやReadingの段階で達成させられますし、ゴールBはReadingやPost-readingの段階で達成が可能だろうと考えられます。

難しい概念や抽象的なワードはピックアップし、日本語で具体的に説明

先ほどのReadingの②にも挙げたように、抽象的なワードや概念「製品」「フェアトレード」のような概念はかならずピックアップし、説明する必要があります。特に、New Horizonにおける「フェアトレード」は文章のテーマであるため、本文の導入時点で日本語で説明しても良いでしょう。

また、ローレベルな生徒のために「状況」「違い」などの曖昧で抽象的な言葉も、その語が何を指しているのかを指導者が具体的に説明する必要があります。想像しやすいものであれば、生徒に説明させたいですね。

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効果的な質問やオーラルイントロダクションの例

まず、オーラルイントロダクションの例。

“There are Cacao farmers. Most of them are African and South American, and they are poor. Why? Because we get cheap chocolates and they can’t get money.”(テーマに触れる)
“What chocolate do you like? Almond Chocolate? White chocolate? “(生徒の興味や関心を引く)

リスニングの能力向上はリーディングの能力向上にも繋がるため、積極的にオーラルでの導入や質問は取り入れていきたいですね(ちなみに、リーディング能力向上によってリスニング能力も向上するわけではありません。)。

また、本文の導入(Pre-reading)の例として、

・「フェアトレードチョコレートというものがあります。知っている人いますか?」(テーマを理解させる)
Are cacao farmers rich?(本文に書かれた事実を直接尋ねる)

読解の段階(Reading)としては、「本文に直接書かれていないもののうち、本文から答えを推測できるような質問」をすると効果的です。

・Why can’t children go to school?
Why do many children in Ghana have to work on cacao farms?下線は教科書内より引用)

本文のまとめ(Post-reading)として、

「この文章で筆者が言いたいことを、一言でまとめましょう」(趣旨の理解度を確認する)
・”Which chocolate will you choose at supermarket, Fair Trade Chocolate or non Fair Trade Chocolate?”(生徒の意思を示す機会・主体的な選択を促進する)

教科書の意味をなさない質問文を削る

また、教科書に書かれた文章のテーマや本文の趣旨に関係のない質問は削っていきましょう。例えば、『NEW HORIZON 3』のUnit 3の場合、”Is cacao made from chocolate?”という質問が教科書に用意されています。これは、”Yes, it is.”か”No, it isn’t.”の2択で答えれば正解になるのはあらかじめ分かっており、しかも「フェアトレード」というテーマに強い関連がないため、削るべきでしょう。Pre-readingとしてもほとんど効果をなさないと思います。

和訳・逐語訳は、効果的なの?

逐語訳や日本語訳の書かれたペーパーをあらかじめ生徒に渡しておく方法は、多くの高校で使われている方法です。

逐語訳をしながら日本語の意味をすぐに教えたり、日本語訳が書かれたプリントなどを渡してしまうと、上記のような英単語へのイメージを阻害するほか、生徒の英語それ自体に対する理解を妨げたり、講義形式の授業に生徒が退屈したり等、デメリットがあります。

英語の教材研究と授業法①でも触れたように、英単語は日本語訳で捉えるのではなく、イメージで広く捉えるほうがより正確になります。「water=水」ではなく、「water=水・お湯を含む液体全体」というイメージで捉えたほうが、より正確な英語に近づくのです。

和訳に頼らない授業をした上で、もし分からない単語や句・文について個人的に生徒から質問されたら、日本語で詳しく説明し返しても良いと思います。

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