実は指揮者なんていらない/本当にできる指揮者の特徴とは

こんにちは。Homerです。

今回の記事では、指揮者の役割について考えます。

指揮者には、大きく2つの役割があります。それは、①音楽のタイミングを司る棒振りとしての役割と、②本番前に音楽の質を高めたり音楽を調整する、いわば音楽監督としての役割です。演奏会やコンクールのリハーサルでは、指揮者が舵を取るバンドもあるかもしれません。

ともあれ、吹奏楽やオーケストラの経験者であれば、指揮者の重要性は実感しているはずです。たしかに、指揮者が変われば、音楽の性格やクオリティは大きく変わります。

しかし、僕からすれば、棒振りとしての指揮者はほとんど要りません。加えて、音楽監督としての指揮者も、皆さんが思うほど重要ではありません

理由を以下に掲げます。

スポンサーリンク



演奏者は、指揮者よりも奏者の音に注意すべきであるため

オーケストラを例に、考えてみましょう。

オーケストラの奏者がタテを合わせる基準はコンサートマスター、すなわち1stバイオリンのなかでも一番手前に座っている奏者です。オーケストラのバイオリン奏者は、コンサートマスターの弓の動きに合わせて音を奏でます。さらにほかの楽器の人々が、バイオリン奏者のタイミングに合わせにいきます。

そうして日々の練習の中で培われた他人の音に耳を傾けるアンテナやバンドのリズム感、アンサンブルを、指揮者が邪魔してはなりません。吹奏楽だって、その点では同じです。

「指揮を見ろ!」

これは、殆どの吹奏楽の指揮者が奏者に投げかける言葉です。

たしかに指揮を見てタイミングを合わせれば、個々の奏者の音のタイミング(タテ)が合うかもしれません。

しかし、指揮に合わせるより大切なのは、奏者に合わせることです。バンドのトップの奏者が正確なリズムで緻密に奏でたメロディに他の奏者が合わせるには、相当な集中力とエネルギーが要ります。トップの奏者もバンド全体を導くために神経を使います。そんな中で、指揮者に目を向けている暇などありません。

僕の中学の頃の吹奏楽部は、指揮なしのほうがうまいバンドでした。当時の顧問の先生も、指揮がない方がバンドの音が良いことに、不思議がっていました。あれは今振り返れば、バンドのアンサンブルの力が指揮の力を超えた結果だと推測します。

ちなみに、ひどい指揮者は指揮に合わせることを強要して、既に完成されたバンドのアンサンブルを破壊しにかかります。「指揮を見ろ!」という言葉がさらなる指揮者信仰を産みます。悪循環です。

せいぜい残された棒振りとしての指揮者の役割は、曲の出だしのタイミングを示すことで、出だしで緊張してしまう奏者の背中を押してやることくらいでしょうか。

バンドが指揮の上手さに左右されないため

バンドの音楽は、指揮者の優劣に左右されないことが望ましいです。もっと言えば、バンドと奏者の持続可能性を高めるために、指揮者に縛られない音楽づくりが必要だともいえます。

音楽監督としての指揮者は、奏者へ様々な指示をします。それを通じて奏者が、音楽をどのように奏でるべきか考えて演奏できるようになれば、差し支えありません。問題は、奏者が指揮者の指示を待つようになることです。

どんなに有能な指揮者がバンドの音楽を向上させても、指示待ちの奏者ばかりであれば、指揮者が変わった瞬間からバンドが停滞していきます。

権威主義的で独裁的な指揮者ほど恐ろしいものはありません。奏者に恐怖を植え付けて柔軟な思考力を奪い、指揮者の無理な指示でさらに奏者を追い詰める。もしその指揮者が消えれば、奏者にはほとんど何も残らなくなります。

大切なのは、バンドを長い目で見ることです。音楽の整理が上手に出来て棒振りのできる者が、ほんとうに奏者のためになるとは限りません。むしろバンドが、少しでもそのバンドに合った音楽で活動できるように支援してあげる指揮者こそが、奏者を大切にする指揮者でしょう

同じメンバーで吹き続ける吹奏楽部や一般バンドの良さは、奏者全体が時間をかけて音楽について考え抜き、方向性を定め、理想の音楽を追求していけることにあるのではないでしょうか。指揮者には、そんな奏者を育てる役割があると思います。

スポンサーリンク



さいごに、できる指揮者とは

以上のように、奏者の思考が育ち奏者同士でアンサンブルができるようになったバンドには、棒振りも音楽監督もほとんど不要になります。

それでもバンドに指揮者が必要であるとすれば、僕が考える「本当に有能な指揮者」の特徴はこの2つです。

①指揮よりもリーダー奏者への注意を促し、個々の奏者の音楽とバンド全体のアンサンブルの完成へと導く指揮者

②個々の奏者が音楽について思考したり自ら音楽づくりができるように努め、自分がいつバンドをあとにしてもいいように、バンドの持続可能性を高められる指揮者

音楽に携わる皆さんへ、指揮について考え直すきっかけを提供できたら、幸いです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする